👤 こんな方に読んでほしい記事です
- スターダスト所属タレントのSNSにコメントしたことがあり、内容が問題になるか不安な方
- 「匿名だからバレない」と思ってSNSに書き込んでいる方
- タレントへの誹謗中傷がどこから違法になるのか知りたい方
- 発信者情報開示請求がどういう仕組みか正確に知りたい方
- 万が一法的トラブルに巻き込まれた場合の備えを考えている方
2025年4月、スターダストプロモーションが所属タレントへの誹謗中傷・虚偽情報拡散について「弁護士と連携のもと、発信者情報開示請求等の法的措置を含めた厳正な対応を進める」と公式発表しました。
「有名人へのコメントくらい大丈夫だろう」「匿名アカウントだからバレない」——そう思っていた人は要注意です。芸能事務所が弁護士と組んで本格的に動き始めた今、一つの投稿が刑事事件・民事訴訟に発展するリスクは現実のものになっています。
この記事では、スターダストプロモーションの注意喚起の内容を出発点に、SNS上の誹謗中傷で問われる法的責任・実際の逮捕事例・発信者情報開示の仕組みまでを法律条文に基づいて詳しく解説します。
この記事でわかること
- ✓スターダストプロモーションが発信者情報開示請求・刑事告訴も辞さない姿勢を表明した背景
- ✓タレントへのSNS誹謗中傷で問われる名誉毀損罪・侮辱罪・脅迫罪の違いと刑事罰
- ✓匿名・削除済みでも特定できる発信者情報開示請求の仕組みと流れ
- ✓主婦・会社員が実際に書類送検・逮捕された事例
- ✓万が一訴えられた場合の弁護士費用と保険での備え方
スターダストプロモーションが注意喚起した背景

スターダストプロモーションは1975年創業の大手芸能事務所で、現在は総勢1,000人を超えるタレント・アーティストが所属しています。山崎賢人、中条あやみ、ももいろクローバーZなど国民的知名度を持つタレントを多数擁しており、SNS上での注目度が非常に高い事務所です。
2025年4月9日、同社は公式サイトで「所属タレントに対するインターネット上での悪質な誹謗中傷や虚偽の情報拡散行為について」と題したお知らせを公表。その中で「タレントの安全と尊厳を守るため、弁護士と連携のもと、発信者情報開示請求等の法的措置を含めた厳正な対応を進める」と明言しました。
同グループのアーティスト部門SDR(スターダストレコーズ)も2024年に同様の声明を発表しており、誹謗中傷・なりすまし・プライベート撮影データの掲載などを「節度を越えた違法・不当な迷惑行為」として、顧問弁護士・警察・関係機関と連携した対処方針を示しています。
問題視された投稿の主な例:アーティストのイメージを損なう誹謗中傷/憶測・裏付けのない事実・虚偽情報の投稿/アーティストになりすます行為/プライベートを撮影したデータの掲載/虚偽の情報拡散(誤情報のシェア・拡散も含む)
これは単なる注意喚起ではなく、法的手続きへの移行を前提とした警告です。事務所が弁護士費用をかけて発信者特定に動く以上、「自分くらいは大丈夫」という認識は完全に危険です。
読者の声
有名人へのコメントって、みんなやってるじゃないですか。私のコメントだけ問題になるんですか?
工藤(リーガルベスト代表)
「みんなやっている」は法的に免責になりません。事務所が弁護士を使って発信者特定に動けば、内容次第でご自身が対象になる可能性は十分あります。一つのコメントが刑事事件につながった事例は複数あります。
SNSのタレント誹謗中傷で問われる3つの罪

「誹謗中傷罪」という罪名は法律上存在しません。しかし、投稿の内容によって以下の複数の犯罪が成立する可能性があります。
①名誉毀損罪(刑法230条)
「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者」に適用される犯罪です(刑法第230条)。刑事罰は3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金と、誹謗中傷系の犯罪の中で最も重い部類に入ります。
ポイントは「事実の真偽は問わない」という点です。たとえ本当のことを投稿していたとしても、相手の社会的評価を下げるような内容であれば成立します。「○○は○○と不倫している」「○○は過去に問題を起こした」など、具体的な事実を示す投稿はすべて対象になり得ます。

②侮辱罪(刑法231条)
「事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者」に適用される犯罪です(刑法第231条)。名誉毀損罪と異なり、「バカ」「ブス」「死ね」など抽象的な表現でも成立します。
2022年7月の改正刑法によって法定刑が大幅に引き上げられ、従来の「拘留または科料」から「1年以下の拘禁刑もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料」へと厳格化されました。芸能人への「消えろ」「死ね」といった過激コメントはこの侮辱罪の典型例とされています。
③脅迫罪・業務妨害罪
「お前を殺してやる」「○○の家に行く」といった内容は脅迫罪(刑法222条:2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金)が成立します。また、虚偽の風説を流布してタレントや事務所の業務を妨害した場合は信用毀損罪・業務妨害罪(刑法233条:3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)に問われる可能性もあります。
なお、名誉毀損罪と侮辱罪は親告罪(被害者の告訴が必要)です。ただし脅迫罪と業務妨害罪は非親告罪のため、被害者の告訴なしに逮捕・起訴される場合があります。
「匿名だから大丈夫」は大きな誤解|発信者情報開示の仕組み

「匿名アカウントだからバレない」「削除すれば証拠が消える」——こうした思い込みが、実際に書類送検・逮捕される人を生み出しています。
プロバイダ責任制限法に基づく発信者情報開示請求を利用すれば、匿名投稿者の氏名・住所・メールアドレスを法的手続きで特定できます。まず投稿のあったSNS(Xなど)の運営会社にIPアドレスと投稿日時の開示を請求し、次にそのIPアドレスからプロバイダ(インターネット接続業者)を特定して契約者情報の開示を請求します。
2022年10月に施行された改正プロバイダ責任制限法では「発信者情報開示命令」という新制度が導入され、従来は2段階・数カ月かかっていた手続きが一つの裁判所手続きで完結できるよう簡略化されました。重要なのはログの保存期間で、アクセスログは概ね2〜3カ月しか保存されません。事務所が素早く動けば、投稿者は十分に特定される期間内にいます。
読者の声
投稿を削除すれば証拠は残らないんじゃないですか?
工藤(リーガルベスト代表)
スクリーンショットで保存されていれば証拠は残ります。またアカウントを削除した後も、一定期間はプラットフォーム側にログが残っているケースがあります。「削除すれば安全」は完全な誤解です。
実際に逮捕・書類送検された事例


事例①:女子プロレスラー・木村花さんへの誹謗中傷
2020年、フジテレビ「テラスハウス」に出演していた木村花さんがSNS上の大量の誹謗中傷を受け、自ら命を絶つという痛ましい事件が起きました。この事件を受け、2020年には大阪府の20代男性が、2021年には福井県の30代男性が侮辱罪の容疑で逮捕されています。大阪の男性は略式起訴され科料9,000円の略式命令を受けました。この事件は侮辱罪厳罰化の直接的な契機ともなりました。
事例②:元AKB48・川崎希さんへの誹謗中傷
タレントの川崎希さんが匿名掲示板やSNS上で誹謗中傷被害を受けた事件では、2020年3月に主婦ら2人の女性が侮辱容疑で書類送検されました。書類送検された2人は「匿名だからバレないと思った」と供述しています。川崎さんが書類送検を公表すると、それまで1日100件以上あった誹謗中傷投稿が止んだとされています。
事例③:タレント・堀ちえみさんへの誹謗中傷
闘病中のタレント堀ちえみさんのブログに「死ね」「消えろ」と繰り返し書き込んだとして、北海道在住の50代主婦が2019年に書類送検されました。東京都迷惑防止条例違反が適用されており、2021年には159回にわたって中傷を繰り返した女性が別途書類送検されています。
いずれの事例でも投稿者は「匿名だからバレない」「みんな書いているから大丈夫」という認識でした。しかし弁護士を介した開示請求によって氏名・住所は特定されました。
事務所が実施する法的措置の内容

スターダストプロモーションが表明した「法的措置」の具体的な内容は、民事上の措置と刑事上の措置に大きく分けられます。民事では発信者情報開示請求・投稿削除請求・損害賠償請求(数十〜数百万円)が行われます。刑事では名誉毀損罪・侮辱罪での刑事告訴、アカウント凍結申請、渋谷警察署など所轄署・サイバー犯罪捜査部門への相談が並行して進められます。
民事と刑事は同時並行で進めることができます。刑事告訴が受理されれば捜査機関が動き、逮捕・書類送検に至る可能性があります。民事では損害賠償として数十万〜数百万円の支払いを命じられるケースもあります。
SNSコメントで絶対にやってはいけない行為
名誉毀損罪・侮辱罪・脅迫罪に該当しうる行為:「○○は不倫している」など具体的な事実を示す投稿 / 「バカ」「ブス」「死ね」「消えろ」などの侮辱的表現 / 「家に行く」「訴えてやる」など恐怖を与える脅迫的な表現 / 事実無根の情報拡散・シェア / プライベート写真・動画の無断掲載 / タレント本人や事務所スタッフへのなりすまし
もし訴えられてしまったら|弁護士保険が力になる理由

「自分は誹謗中傷なんてしていない」と思っていても、ある日突然「あなたの投稿が名誉毀損に当たる」と法的通知が届く可能性はゼロではありません。特にSNSを日常的に使うすべての人にとって、法的トラブルは他人事ではない時代になっています。
誹謗中傷問題で弁護士を依頼する場合、相手方(被告)側の費用感として相談料・着手金・報酬金を合わせると数十万〜100万円以上になることも珍しくありません。損害賠償の支払い命令が出た場合はさらに追加の出費となります。

そこで有効なのが弁護士保険ミカタです。1日98円〜という負担で、万が一の法的問題に弁護士費用の一定額を備えることができます。ネットトラブル・名誉毀損・誹謗中傷に関する民事問題にも対応しており、SNSをよく使う方であれば入っておかないと後悔するかもしれない保険のひとつです。
いざ法的通知が届いてから動いても、着手金だけで数十万円が飛んでいく。そうなってから「保険に入っておけばよかった」と思っても遅い。弁護士保険のプロとして、1日98円〜で備えられる弁護士保険ミカタを強くおすすめします。
読者の声
弁護士保険って、すでにトラブルが起きてからでも使えるんですか?
工藤(リーガルベスト代表)
弁護士保険ミカタは民事トラブル対応の保険で、加入前に発生したトラブルには使えません。待機期間もあります。だからこそ「今のうちに備える」ことが大切です。トラブルが起きてから後悔しないよう、まず加入を検討してみてください。
この記事のポイント
- スターダストプロモーションは弁護士と連携し発信者情報開示請求・刑事告訴も含めた法的措置を表明した。単なる注意喚起ではなく、実際に手続きに移行する前提の警告だ。
- 名誉毀損罪(刑法230条)は3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金。事実の真偽を問わず、社会的評価を下げる内容であれば成立する。
- 侮辱罪(刑法231条)は2022年改正で1年以下の拘禁刑もしくは30万円以下の罰金に厳罰化。「バカ」「死ね」などの抽象的な表現でも成立する。
- 匿名投稿でも発信者情報開示請求で特定可能。削除後も証拠が残る場合があり、「匿名・削除済みだから安全」は誤りだ。
- 主婦・会社員・大学生が実際に書類送検・逮捕されている。「みんなやっているから大丈夫」という認識は法的に通用しない。
- 万が一の法的トラブルには弁護士保険ミカタ(1日98円〜)で今のうちから備えておくのが賢明だ。加入前のトラブルには使えないため、早めの加入を強くおすすめする。
🔗 あわせて読みたい(ネットトラブル関連)
主な引用元:スターダストプロモーション公式「所属タレントに対するインターネット上での悪質な誹謗中傷や虚偽の情報拡散行為について」(2025年4月9日)、SDR公式「SNS・インターネットにおける誹謗中傷、迷惑行為について」(2024年6月16日)、刑法第230条(名誉毀損)・第231条(侮辱)・第222条(脅迫)・第233条(信用毀損及び業務妨害)、警察庁「インターネット上の誹謗中傷等への対応」、法務省「侮辱罪の法定刑の引上げ」(2022年7月7日施行)、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(改正プロバイダ責任制限法、2022年10月施行)
工藤 辰浩
リーガルベスト代表 / 弁護士保険ミカタ正規代理店
リクルート在籍中に「世の中の負を解決したい」という想いを抱き、2017年に東京で弁護士保険代理店リーガルベストを創業。以来8年間で400名以上のお客様の弁護士保険相談に伴走。多くの弁護士セミナーへの参加、30名以上の弁護士との交流を通じて培った知見をmomegoto.jpで発信しています。監修弁護士様も募集中です。お気軽にお問い合わせください。
免責事項
本記事は一般的な法律情報の提供および弁護士保険代理店としての知見共有という位置づけであり、特定の法的助言を構成するものではありません。個別の事案に関する法的判断が必要な場合は弁護士にご相談ください。記事内容は2026年4月時点の公開情報・判例・条文に基づいており、今後の法改正・新たな判例により内容が変更される場合があります。将来の法的トラブルに備える選択肢として、弁護士保険の加入を強くおすすめします。

